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ファーザー・ストラグル

数年前まではおよそ考えもつかなかっただろう夢を、おれは夢みるようになった。
妄想なんかと違う、リアリティのあるもっと具体的な。
それでも夢といえるんだから、不思議だ。
ほんとうに人の望みって、いろいろ形を変えていくものだ。

人は、別にいろんなものを望まないでも生きていける、と思う。
おれは、贅沢な暮らしにも高価な服にも、それほど興味がない。
ひきこもれるだけのお金と、インターネット環境さえあれば、1年でも2年でもひきこもっていられるような気さえする。
要は気持ちのベクトルがどこに向かっているかということだ。

生きている証なんて、殊更に叫ぶ必要なんかないさ。
人との関係の中にいる以上、生きてりゃイヤでもベタベタ手垢みたいにどこにでもくっつくもんだ。
そして責任がまとわりついて、弱い人間には苦痛になるんだろう。
そりゃそうだ。
楽しく生きていきたい。
ビールの飲めない生活なんてまっぴらだ。

それでも感動して、酔っ払って、32年おれとして生きてきて、わかっていることだってある。
おれと、おれの夢がこうして熱を発しているかぎり、おれはおれのために生きることをたぶんやめない。
そして家族と、家族の未来があるかぎり、家族のために最後までもがくと、おれは2年前に心に決めた。
家族でいるからには、家族みんなで未来を語れること。
そして一人ひとりが望むこと、それがすなわち幸せになることだ。

予定日は12月3日。
今のところ順調です。
どうか、無事に生まれてくることを。

おれたちの子ども
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